校長室の窓から

入学式
2022/04/07

本日は高校入学式を午前に、中学入学式を午後に挙行いたしました。お天気に恵まれ晴れやかな式となりました。新入生のみなさん、ご家族の皆様おめでとうございます。

    式辞
 
 新入生のみなさん入学おめでとう。初々しい薄緑色の若葉のようなみなさんを迎える日を教職員及び在校生一同心よりお待ちしていました。
そして保護者のみなさま、お子様のご入学おめでとうございます。今日は保護者の皆様も参列しての式を挙行できて大変うれしく思っております。コロナ禍での受験という大変な経験をご家族で乗り越えたことを心よりお喜び申し上げますと共に、学校見学も制限がある状況において、本校と出会い、ご入学されたご縁に深く感謝いたします。
東京立正は、日蓮聖人第650遠忌の記念事業として、創立者岡田日帰上人が、「五重塔を建てるよりも人の心にこそ塔を建てよ」という志のもと、昭和元年に設立いたしました。そして、教育理念を「生命の尊重・慈悲・平和」とし創立96周年を迎えました。もうじき百歳を迎えようとする東京立正の新しいお仲間となったみなさんですが、皆さんのこれからと東京立正のこれからは今日から始まりです。ここは未来をつくる場所です。
世界の若者と比較して、日本の若者の学力が低下したと危惧されています。文書やデータ・事象を読み取り、課題発見解決するために必要な思考力・判断力・表現する力などです。また、主体的で深い学びを実現するためにアクティブラーニングも求められています。そして、「大学入試改革」を通して中高の学びに変革を起こそうとしているわけです。
しかしながらみなさんの日常は、当たり前といわれるものに囲まれており、一方的な情報を大量に継続的に浴びせられています。このような状況で生活していると、課題発見どころか考えることをしなくなってしまいます。私たちはそれを「思考停止」といいます。
コロナについてもそうです。ウクライナ侵攻についてもそうです。悲しんだり嘆いたり批判するだけではなく、安全で安心で平和な世の中にするために、私たちはもっと「なぜだろう?」と問いかけることをしなくてはなりません。与えられる情報だけでなく、自ら求めて獲得していく必要があります。そうして取捨選択するという自由を発揮し、自分の考えを構築するのです。そうでなくては、読み取る力も課題発見解決する力も養うことはできないのです
学校とは学ぶ場所です。それは知識であったり、経験であったり。嬉しいことであったり、残念なことであったりもします。それらを全部含めて学校なのです。みなさんのやりたいことができる場所。みなさんのやらなくてはならないことがある場所。そして東京立正の先生方はみなさんのやる気スイッチを押してくれるはずです。その瞬間に見たこともないようなエネルギーを発揮できるのが若さです。挑戦があれば失敗もあります。それもまた学びです。そこから、人と同じでなくていい「自分」が作られていくのです。
更に、学びの場所はここだけではありません。SDGsプログラムで地域の方々との活動があります。更には、教室を飛び出して一気に海外への道も拓きました。今年度からニュージーランドへのターム留学制度を導入し、高校1・2年次の3学期の三か月間という短期留学ができるようになります。昨年度は海外大学進学協定校推薦制度を導入し、アメリカ5校・イギリス1校に合格者が出ています。コロナの状況にもよりますが、中学生はカナダ研修へ、高校イノベーションコースではカンボジア研修へ行くプログラムもあります。思い切って違う目線で世界を日本をそして自分を見つめ直し、複眼的に思考する力を身につけてほしいと願っています。
結びになりますが、今日は、みなさんを愛する方から「おめでとう」といわれる日ですね。みなさんからはどうしますか。みなさんは、お母さん・お父さんそしてご家族やお世話になった方に、今日という日を迎えられたことに対して「ありがとう」の気持ちをちゃんと伝える日としてください。
「愛の反対は憎しみではなく無関心だ」と言います。自分の事・友達の事・ご家族の事・世界の事に関心を持ち、愛にあふれる世界をここ東京立正から共につくっていきましょう。
 
令和4年4月7日
 東京立正中学高等学校 校長 梅沢辰也
戻る SDGs全校の記事一覧はこちら SDGs中学の記事一覧はこちら SDGs高校の記事一覧はこちら